ファストナハト、ファッシング、カーニバル 2010年
「ファッシング」、「ファスナハト」あるいは「カーニバル」は、特にラインラント地方や、ドイツの中でもカトリックの影響が強い地方の古い風習です。その中心地はマインツ、ケルン、デュッセルドルフ、ボンです。南ドイツでは、アレマン地方の伝統的ファスネットを祝います。この「5つ目の季節」は11月11日に始まり、灰の水曜日に終わります。お祭りの騒ぎがハイライトを迎えるのは、いわゆる「汚れた木曜日」から灰の水曜日(Aschenmittwoch)までの週です。バラの月曜日(Rosenmontag)には、大規模なパレードが行われ、愉快な仮装をしたり、伝統的な民族衣装や仮面をつけてパーティーやパレードを楽しみます。この伝統の起源は、冬を追い払う古い風習です。
2月11日(木)「女性のファスナハト」
2月15日(月)「バラの月曜日」
2月16日(火)「スミレの火曜日」
2月17日(水)「灰の水曜日」
ケルンのファステルオーヴェンド(カーニバルの夜) ‐「アラァーフ」
特にライン地方で行われる形のファストナハトは、カーニバル(おそらく中世ラテン語のcarnelevare「肉よさらば」 に由来)と呼ばれてます。ケルンでは1823年2月10日に、「祝祭管理委員会」が設立され、独特のカーニバルのスタイルが確立されました。カーニバル特有の軍服風の衣装や、護衛部隊、軍服を着て歌い踊る一団は、ナポレオン時代の護衛部隊に遡るものです。ケルンのカーニバルは、伝統的に11月11日の11時11分に始まります。カーニバルのハイライトは、ビュッテンレーデという演説が行われる数多くのパーティーのほかに、灰の水曜日の前の木曜日に行われる女性のファストナハト(方言でヴィーバーファステルオーヴェント)があり、屋外でのカーニバルのハイライトとしては、バラの月曜日のパレード、等身大の藁人形が焼かれるスミレの火曜日があります。
デュッセルドルフのカーニバル「へラゥ!」
デュッセルドルフのカーニバルの起源は、中世の騎士の競技や、宮廷での仮装パーティーです。デュッセルドルフのイェッケたちが崇拝するのは、ホッぺディッツと呼ばれる、典型的な宮廷道化師です。毎年11月11日11時11分には、市役所の前でホッぺディッツが目を覚まし、カーニバルのシーズンが開幕します。デュッセルドルフのカーニバルの最初のハイライトは、元旦にやってきます。というのはこの日に、そのシーズンのカーニバルの王子と王女が選ばれるからです。1825年には、デュッセルドルフ市で最初の王子が選ばれています。この他のハイライトは、“Möhnen“ (老女たち)が市役所を襲うアルトヴァイバー・ファストナハトや、カーニバルの日曜日とバラの月曜日に行われるパレードです。そうするとまた ”D'r Zog kütt!“(パレードがやってくる!)となるのです。
狂騒の日々-マインツのファセナハト
マインツのファストナハトの長い伝統は、羽目をはずしたお祭りが初めて行われた、16世紀にさかのぼります。19世紀には最初のファストナハト協会が設立されました。1838年にはマインツ・カーニバル協会 (MCV)が創設され、雑多で放埓な祭りに、秩序と美的な形を与えました。昔からMCVには、軍服を着た護衛部隊があります。マインツの「5つ目の季節」は、11月11日の11時11分に、ファストナハトの11のきまりが読み上げられて始まります。このほかのハイライトは、バラの月曜日のパレード、ファストナハトの土曜に行われる青少年の仮面パレードや、元旦の道化師パレードが終わるとはじまる、たくさんのファストナハトの集会イベントなどです。
シュヴァーベン・アレマン・ファスネット‐ 「ナリ‐ナロ!」
シュヴァーベン・アレマン・ファスネットとは、南西ドイツのファストナハトの風習を指しています。シュヴァーベン・アレマン地方のファスネットの起源も、中世のお祭りにあり、当時は断食期間の開始前に、傷みやすい食品を使い切る必要があったのです。14世紀には、踊りやパレード、ファストナハツシュピール(謝肉祭劇)がこれに加わりました。17世紀のバロック時代には、シンプルなファストナハトの仮装が評価されるようになりました。啓蒙主義に影響され、一時は下火になりましたが、この伝統は19世紀初頭に再び盛り返しました。インテリ市民層が支配的なラインラント地方のカーニバルと一線を画すため、シュヴァーベン・アレマン地方のファストナハトは、伝えられてきた伝統に立ち戻りました。灰の水曜日前の3日間に限られていた開催期間は、19世紀に拡大され、多くの地域で、ファスネットは公現節に始まるようになりました。1924年には、シュヴァーベン・アレマン道化組合連合(VSAN)が設立されました。シュヴァーベン・アレマン地方のファスネットの特色は、ファスネットの登場人物たちです。そのシェメン(仮面)はほとんどが木製で、中には布や紙のものや、針金製さえあります。多くの地域でへーストレーガー(仮装をする人)は、へース(衣装)を何代にもわたって受け継ぎます。その中で最も古くからある登場人物は、悪魔と道化です。1933年には、オッフェンブルクで魔女の組合が創設され、シュヴァーベン・アレマン地方のファスネットに、新しい登場人物をもたらしました。
チューリンゲン地方のカーニバル「ヴェーズィンゲ アホイ!」
南チューリンゲンのヴェラ河畔にあるヴァーズンゲンは、ドイツで最も古いカーニヴァルの地のひとつとされています。この地でカーニバルが発祥したのは、1524年と言われています。ヴァーズンゲン地方でカーニバルを支える人々は、この地のカーニバルの独自性を数百年にわたり守ってきました。ここでは王子・王女ではなく、2人の侍女を従えた王子が登場します。王子の治世は、カーニバルの土曜から11月11日までです。ヴァーズンゲンでのハイライトは、灰の水曜日の前の日曜に行われる華麗な時代行列で、このパレードは、現在までこの地の習俗を伝えていることで特に有名です。