ペーター・グリュンベルク教授、日本国際賞を受賞

ペーター・グリュンベルク教授、日本国際賞を受賞


巨大磁気抵抗効果の発見と、革新的スピンエレクトロニクス・デバイスを創生した業績去る4月、第23回日本国際賞(国際科学技術財団主催)の授賞式が天皇、皇后両陛下臨席のもとに東京で開かれ、「基礎研究が発信する革新的デバイス」分野でユーリッヒ固体物理研究所のペーター・グリュンベルク教授が受賞した。“アジアのノーベル賞”ともいわれる日本国際賞には、賞金5,000万円がつく。授賞理由は「巨大磁気抵抗効果(GMR)」発見の業績。グリュンベルク教授とフランス人のアルベール・フェール教授は、1988年にそれぞれ独立にGMRを発見したもので、両教授が賞を分かち合った。


当時グリュンベルク教授は、クロームの薄膜を鉄の薄膜で挟んだサンドイッチ構造の三層薄膜が巨大磁気抵抗効果を生じることを発見した。そして、それ以後の研究を通じて、強磁性金属の層と非磁性層を交互に重ねた多層膜の多くがGMRを示すことを明らかにした。このGMRの発見をもとに、磁気記録のブレークスルーとも呼ぶべき画期的なGMR素子が誕生した。ディスク上に書き込まれた微弱な磁場を読み取れる高感度の再生ヘッド、つまりGMR効果を利用した磁気ヘッドが初めて市場に登場したのは10年後の97年。その後、ハードディスクの容量は加速度的に増えていき、GMRヘッドの用途はパソコン、ビデオレコーダー、MP3プレーヤーなどのIT機器へと急速に広がっていった。今日、ハードディスクの読みとりヘッドは、ほとんどがGMRに置き換わっている。グリュンベルク教授はさらに、サンドイッチ構造の多層膜の多くがGMR効果を示すことを明らかにした研究においてスピンエレクトロニクス・デバイスを創生し、スピンエレクトロニクス分野の基礎を築いた。マイクロエレクトロニクスと並ぶ、未来の研究開発分野と期待される革新的分野である。審査委員会は、「グリュンベルク、フェール両教授の研究は、IT技術の発展に大きく貢献した。両教授の業績は計り知れない価値をもち、科学史に輝かしい足跡を刻んだ」と称えている。グリュンベルク教授(1939年生まれ)は、現在、ユーリッヒ固体物理研究所の名誉教授。ちなみに、教授の発見は数千万ユーロ規模のライセンス収入を研究所にもたらした。

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日本国際賞受賞ペーター・グリュンベルク