「ヨーロッパは今後さらに一体性を増していく」

ギド・ヴェスターヴェレ連邦外務大臣に、欧州連合(EU)の新しい財政安定化策、そして政治同盟への道について話を聞いた。

 

大臣、EUは何カ月も前から財政問題の危機管理に追われていますが、長期的に有効な策がありますか。

Logo Europäische Zentralbank 画像を拡大 (© dpa - Bildfunk, Frank May)

われわれは先般129日のEU首脳会議で、欧州連合を「安定同盟」に発展させることを決定しました。ほぼすべての加盟国が歳出削減や財政規律強化など、安定化に向けたルールを守ることを誓い、権限を強化された欧州委員会がその遵守を監督します。そしてルール違反に対しては介入を行う。これらの措置によって共通通貨への信頼を回復し、ユーロを持続的に安定させることが可能であると私は確信しています。

安定化ルールに今後違反した加盟国に対しては、具体的にどのような措置がとられますか。それは実効性ある措置となりうるでしょうか。

過剰財政赤字などのルール違反を犯した加盟国に対しては、自動的に制裁が発動されます。つまり欧州委員会の介入は、純粋客観的な基準に従って行われるということです。EU加盟諸国はそうしたメカニズムを受け入れることによって、時々の政治情勢や景気とは無関係に、断固として厳格な安定化路線を追求する決意を示しました。各国の憲法などに「債務ブレーキ」制度を明記することでも合意が得られていますので、新規債務は将来最小限に抑えられるようになります。こうしてわれわれは、独仏が共同で主張してきた「安定同盟」へと向かう決定的なステップを踏み出したわけです。

財政の安定化は中心課題のひとつであるとしても、同時にもうひとつの問題である加盟諸国の競争力をどうやって強化しますか。

単一通貨圏内で競争力を高めるには、効率化によって生産性を向上させる必要があります。ドイツも近年そうした方向で様ざまな改革を行ってきましたし、現在われわれが一部EUパートナー諸国よりも良い状況に置かれているのは、この改革に負うところが少なくないのです。.

危機はEUにどのような政治的チャンスをもたらすと思いますか。危機のなかで加盟国は結束を強めるのか、それとも逆にばらばらになっていくのでしょうか。

危機は欧州の一体性をさらに強化するチャンスでもあり、われわれはこの機会をぜひ活かさなければなりません。今回合意された財政・経済政策という中核領域における統合の強化は、ほかのあらゆる政治領域に波及効果をおよぼしますから、ヨーロッパは今後さらに一体性を増していくでしょう。

EU首脳会議におけるイギリスの合意離脱以来、「中核国のヨーロッパ」とか「2速度の欧州」といった言葉が再び議論に上っています。これについてどのように考えますか。

イギリスがひと先ず、安定同盟への道をわれわれと共に歩まないというのは残念なことですが、だからといって残り26カ国は、統合深化への決意を挫かれてはなりません。肝心なのはイギリスに対して扉を閉ざすことなく、可能性を残しておくことです。われらがパートナーとして、いつでも安定同盟に寄与してもらいたいと思います。ドイツに劣らずイギリスの金融中枢は、ユーロの安定に依存しているのですから。将来も英国政府がEUのなかで積極的な役割を果たしていくだろうことに、私は疑いを抱いておりません。

大臣はこれまで繰り返し、EU基本条約改正についての「広く透明な議論」を求めてこられました。欧州統合というテーマが、あまりにも少数のエリートのものになりすぎたというのであれば、どうやってそれを修正しますか。

EUの将来について全ヨーロッパ的な議論を行うことを、私はとても重要だと考えています。そのために自分でできることを努めて実行したいと思い、ヨーロッパ各地を訪れるときには直接的な話し合いの機会を進んで求め、若い人たちを前に講演なども行っています。私たちはみな欧州統合の重要性を心に刻み、その進捗に積極的に貢献していかねばなりません。力を合わせる以外に、私たちがグローバル化の時代を生き延びる道はないからです。

イツの関心はヨーロッパのそれと同じではない、という印象を一部のひとたちは抱いているようです。この批判にどう答えますか

より堅実なEUの財政・経済政策を望む立場において、ドイツは決して孤立してはいません。129日の首脳会議において、26EU加盟国が安定同盟を目指すことで合意した事実を見ても、われわれの掲げる目標への幅広い支持は明らかです。

ユーロ圏ではここ数カ月間に、ドイツ流の秩序政策的原則が確実に根を下ろしてきた感がありますが、それによってドイツがあまりにも教師面をしていると他国から見られる危険はありませんか。債務危機への対応によって、ドイツのイメージが損なわれるということは

ドイツは欧州の筆頭経済大国として、EUに対して特別な責任をもっており、ユーロ危機のなかで、われわれはこの責任を積極的に引き受けてきました。そうした行動は、EUパートナー諸国のドイツに対する期待に沿うものです。またわれわれは行動に際して、つねに透明性を心がけ、26の全加盟国との共同作業を重んじていることを強調してきました。

目下の危機によって、欧州統合の理念が背景に退く怖れはありませんか。

私たちは危機のさなかにあっても、欧州統合がドイツ政治の導きの星であることを忘れてはなりません。開かれた国境、他に類を見ない魅力的な欧州的生活モデル、人々を惹きつけてやまない文化、ダイナミックに発展する経済、人々に希望を与える政治、そうしたものすべてを内包する政治同盟こそ、私たちが引き続き最終目標とするものです。この目標に向けて、全力を尽くさねばなりません。

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「ヨーロッパは今後さらに一体性を増していく」

Bundesaußenminister Guido Westerwelle